エピソードデルタに見る、デオキシスの新たな生態と可能性について【ポケモン考察】
全国図鑑No.386、ゲームのバージョンによって様々だが「宇宙から飛来した隕石に付着していたウイルスがレーザーを浴びて誕生した」といった旨の説明が図鑑内では多く見られる。
また、ポケモンシリーズで最初にフォルムチェンジを行ったポケモンである。
ORASが発売されるまでは、ポケモン本編のゲームにおいて捕獲が可能なデオキシスは配信アイテムの「オーロラチケット」を使用してのみ行くことのできる誕生の島に登場する個体のみ。そのため、所謂「幻のポケモン」と呼ばれ分類されていた。
本編以外でも、外伝的作品のポケモンレンジャーやアニメ映画等において宇宙からやってきたとされるデオキシスの存在が複数確認されており、デオキシスは幻のポケモンでありながら同時に何体もの個体が存在していることが明らかになっていた。
以上がエピソードデルタまでのデオキシスに関する基本情報だ。
そして、後はご存じの通りORAS発売によりデオキシスは通常入手が可能になったのだが、記事タイトルの内容へ踏み込む本題はここからである。
●デオキシスはなぜ宇宙にいたのか?
デオキシスの図鑑説明には、上記の通り隕石に付着したウイルスがレーザーを浴びてポケモンになったと書かれている。
ここから理解できるのは、地球に飛来した隕石からデオキシスが誕生したということ、そしてウイルスをポケモンのデオキシスたらしめる「レーザー」という何かが地球上には存在しているということだ。
何が言いたいのかと言うと、これらを逆説的に読解した場合「宇宙にはデオキシスは存在しない」ということになる。
デオキシスはあくまで地球上で隕石とレーザーが接触を果たした際に誕生するポケモンなのだ、と図鑑では表記されていたのがこれまでのポケモン図鑑であり記録する博士達が調べることのできる範囲内での説明だった。
しかし、エピソードデルタではそれを大きく覆す事象が発生した。
それがラストに突如として現れるデオキシスとの戦闘である。
空の柱へ向かう隕石に付着していた三角形の何か(誕生の島に現れたオブジェクトと同様のものと見られる)はレックウザの攻撃により砕けた隕石から姿を現し、宇宙空間でデオキシスが登場した。
起こり得ないと言われていたことが起きてしまったのだ。
加えて、飛来した隕石が空の柱に向かっていたのはデオキシスが軌道を操作していたからという事実までもが判明する(エピソードデルタクリア後のトクサネ宇宙センター職員のイベントより)。
この事態を受けて、筆者は二つの可能性を考察し本記事で挙げることとした。
まずひとつは「惑星デオキシス説」、次いで「フォルムチェンジ≒メガシンカ説」だ。
それぞれ順を追って解説していこう。
●惑星デオキシス説
宇宙でもデオキシスが存在できるのはなぜか?
それは、宇宙空間のどこかに地球上の「レーザー」と同じものが存在している星があるからなのではないだろうか?
今回は仮にその星を惑星デオキシスと名付け、どういった理由で地球にやってきたのか仮説を立ててみた。
惑星デオキシスでは、今から何億年と前の地球と同じようにウイルスの姿からデオキシスというポケモンに変化したばかりの個体が意思と文明を持ち暮らしていた。
デオキシスたちはそれぞれにノーマル、アタック、ディフェンス、スピードと、ある程度姿を変化させ生活していたが、全てのデオキシスに通ずる意識として、三角形の形を本能的に探し求めるようになっていた。
ある時、いくつかのデオキシスは惑星外の宇宙という暗黒空間でも自分たちが活動できることに気付いた。
そして、デオキシスたちは遠く暗い宇宙の先に自分たちの惑星と同じ「レーザー」の存在する惑星、地球を発見した。
目的は文明の発展か、ただの興味本位か、それとも侵略か。
自らの姿を再びウイルスにする個体や三角形の物体へ変化させる個体など、様々なデオキシスが現れた。しかし、どの個体も流れる隕石を渡り、長く永い時間をかけて地球を目指した。
やがて地球が近づくと、デオキシスたちは自らの求める三角形の本能に従い、ある個体は誕生の島へ、またある個体は空の柱へ誘われるように向かうようになっていった。
こうして、地球に無事に辿り着くことのできたデオキシス達は人間やポケモンという種族を知ったのであった。もっとも、人間からは「宇宙からやってきたウイルスがレーザーを浴びた結果誕生したポケモン」と認識されてしまったのだが。
というのが筆者の打ち出した仮説その1「惑星デオキシス」だ。
しかし、仮説ではあるもののデオキシスを始めとした何らかのコミュニティが地球の内外を問わずに存在している、というのは映画「裂空の訪問者デオキシス」の1体目(胸の水晶が紫色の個体)のデオキシスの個体が仲間を探していたという描写を見るにまず間違いないだろうと考察できる。
以上の仮説が正しいとするならば、宇宙にはデオキシス以外にもまだ見ぬ新たなポケモン達が潜んでいる可能性も十分に考えられるのではないだろうか。
●フォルムチェンジ≒メガシンカ説
「惑星デオキシス説」では「エピソードデルタ時に現れたデオキシスはどこからかやってきたもの」とする場合の話だったが、今回の「フォルムチェンジ≒メガシンカ説」は「エピソードデルタ時に現れたデオキシスは本当にその場で誕生していた」とする場合の仮説だ。
これはデオキシスではなく、もしもポケモンの身体を持つ以前の段階であるウイルスの時点でデオキシスとなる知能や意志が存在していると仮定した場合の話だ。
エピソードデルタで遭遇するデオキシスがもしもその場で誕生していたとするならば、それはすなわちあの場に「レーザー」となる何かが存在していたという動かぬ証拠となる。
あの場に存在していた「レーザー」になり得る何か。
それは当然ながら、あの場にいた最も力の大きなもの、メガレックウザに他ならない。
周知の通り、メガレックウザは現存するポケモンの中で最も異質なメガシンカを使用する。そして、そのメガシンカは異質であると同時に最強の力をも備える。
そして、最早最強というよりもメガレックウザ自身がメガシンカの概念であると言い換えることができるだろう。なぜなら、レックウザの体内にメガシンカエネルギーが累積されているのならば、それはポケモンでありながらメガストーンでもあるということになるからだ。
つまり、デオキシスをウイルスからポケモンたらしめた「レーザー」とはまさにメガシンカのエネルギーに他ならない。
メガシンカエネルギーを浴びたウイルスは、その力によって急速な進化を経て我々の知るデオキシスを構成した。
さらに、ポケモンとしてのデオキシスが誕生する際、メガシンカという姿の変化を学んだ結果習得したもの、それこそがまさしくフォルムチェンジシステムなのではないだろうか。
残念ながら、デオキシスは姿を変えることこそ可能となったものの能力を上昇させる本当のメガシンカまでは至ることができなかった。当然である。メガシンカとは、人の心や思いといったエネルギーとポケモンの力が合わさって初めて実現されるものなのだから。
しかし、逆に言ってしまえば、もしもメガシンカからフォルムチェンジを学んだデオキシスが今後人間との友好的な接触を経た場合、メガデオキシスというのはそう遠くない未来、どこかで目にすることができるようになるのかもしれない。
以上が仮説2「フォルムチェンジ≒メガシンカ説」である。
仮説1で提唱したデオキシスのコミュニティ文化とは、少し意見が食い違う結果となってしまった。
しかし、デオキシスを「惑星のようなコミュニティからやってきたおかげでコミュニティ文化を持ち合わせているポケモン」ではなく「本能として誕生した直後からコミュニティ文化を持ち合わせている高い知能指数を持つポケモン」として解釈するのであれば、矛盾は発生しないとも言えるのではないだろうか。
この仮説が正しいとするならば、メガシンカのパワーというのはデオキシス以外にも数多くの何かをポケモン、あるいは他の生命体たらしめる存在へと昇華させてきたエネルギーなのではないだろうか。
●あとがき
とまあ、二つの仮説を並べてここまで書いたわけですが、正直言って二つに分ける理由が「わかりやすいから」「解説しやすいから」ぐらいしか結果的にはなくなってしまいました。
今回解説した二つの仮説は読んでいただければわかる通り、どちらの説もある程度存在する可能性があり、且つ両立する可能性も存在します。
しかし、相変わらずポケモンの世界観そのものはやっぱり未知数で、どうなるかは書いた僕にも皆目見当がつきません。
ですが、こうしてあれこれ考察していくのはやっぱり楽しいですしポケモンの醍醐味という気持ちもします。
同じようなテーマでまたもうひとつポケモン考察記事を書こうとも考えていますが、またそれは別のお話。
なんにせよ、仮説とはいえ今回の記事でまた感じられるポケモンの世界が広くなったよという方がいらっしゃれば幸いです。メガデオキシスとか僕も見てみたいですし。
それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
良きポケモンライフを。
補足追記:今回は宇宙からやってきたポケモンであるデオキシスについて触れましたが、使用したポケモン世界における宇宙観、メガシンカ観についてはこちら↓
も合わせて読解していただければなおわかりやすいかなと思います。
べ、別に宣伝ってわけじゃないんだからね!(終)