正義のためなら人間はどこまでも残酷になれる

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このアニソンの歌詞がすごい!5選解説~2015年版~

この記事は、別に全てのアニメを観ているわけでもなく観てきた全てのアニメを好きになるわけでもない筆者が独断と偏見のみで良いと感じた歌詞のアニソン(2015年にCDが発売していることが条件)を勝手にオススメしていくだけの年忘れ用の駄文である。

 

 今回は目安として評価軸を大きく5つ設け、それぞれ10点ずつ計50点として簡単に評している。が、間違ってもこれらは優劣をつけるためのものではなく紹介の目安でしかないということは覚えておいていただきたい。

 

 歌詞に対する評価軸はそれぞれ「聞きやすさ」「普遍性」「キャラクターの表現」「世界観の表現」「アニメのテーマとの繋がり」の5つ。

 

 

1曲目

「光を追いかけてきた僕たちだから  さよならは言わない

 また会おう  呼んでくれるかい?  僕たちのこと」

 劇場版「ラブライブ!」より「僕たちはひとつの光」。

聞きやすさ・・・・・・・・・・7点

普遍性・・・・・・・・・・・・6点

キャラクターの表現・・・・・・10点

世界観の表現・・・・・・・・・8点

アニメのテーマとの繋がり・・・10点

 

 上記作品の挿入歌兼エンディングテーマであり、同時にシリーズが続いていたテレビアニメ「ラブライブ!」としてのピリオドとなる楽曲。

 最大の特徴は、これまでラブライブのコンテンツに触れてきた人間なら必ずピンとくる歌詞。9人のメンバーの名前が歌詞の中に全て混ぜ込まれており、それでいてこの作品の核となるテーマをこれでもかと表現してくる。

 劇場でこの曲に泣かされたという人間も多いのではないだろうか。かくいう筆者もそういう人間の1人であるわけだが。

 ちなみに、上記リンク先の挿入歌CDに入っているものと劇場版サントラに収録されているものでは一部仕様が異なる。どちらもファンならば聴いて損はないのでぜひ。

 

2曲目

「夕焼けが真っ赤に燃え  繋がった友情は

 僕らをヒーローにしていく  GET CHANGE〈ガッチャ〉」

60億の翼

60億の翼

 

 テレビアニメ「ガッチャマン クラウズ インサイト」より「60億の翼」。

聞きやすさ・・・・・・・・・・7点

普遍性・・・・・・・・・・・・9点

キャラクターの表現・・・・・・4点

世界観の表現・・・・・・・・・8点

アニメのテーマとの繋がり・・・10点

 

 EDテーマとして「ガッチャマン クラウズ インサイト」で使用された。

 こちらの楽曲は、途中から曲調が変化したりアニメ中のキャラクターとは直接リンクしていなかったりとアニソンとしては色々と異例であり、もしかしたら普通のアニソンのそれを想像していた人は驚くかもしれない。そもそも放送されていたクラウズインサイト自体もアニメとしては相当異例な作品なので、そちらの作風を汲み取っているのかもしれないが。

 この曲で特に注目したいのは、アニメのテーマとの繋がりの点である。

 ガッチャマンクラウズはシリーズ1作目から「ヒーローというのは選ばれし人間ではなく、そこのあなたですよ」といった方向性のテーマを掲げており、この曲においてもそれが非常に強調されていることがわかる。というか、ほぼそれしか書いていない。

 60億の翼という曲名からもそれは十二分に伝わってくる。そのせいか、アニメの内容を的確に書いている歌詞が結果としてある種の普遍性を持ち、メッセージとして機能しているのがまた非常に面白いのだ。

 

3曲目

ときめきポポロン♪って  煌めきの音が響く

のんびりのびのび  おしゃべりは尽きないけれど」

 テレビアニメ「ご注文はうさぎですか??」より「ときめきポポロン♪」。

聞きやすさ・・・・・・・・・・10点

普遍性・・・・・・・・・・・・5点

キャラクターの表現・・・・・・10点

世界観の表現・・・・・・・・・7点

アニメのテーマとの繋がり・・・7点

 

 この曲の特徴はなんといっても可愛らしさと記憶に残るフレーズを追求した内容の歌詞だろう。

 「ワクワク」「もふもふ」「つまんないない」「のんびりのびのび」「くるくるりん」「ドキドキ」「ぽんぽんふくらむ」「ぐんぐん進もう」「やっぱりまだまだ」と同じ音を繰り返す歌詞の組み合わせが非常に多く散見される。これは言葉を繰り返すことにより人々の脳に刻み込む手法で、曲中で短いワードを繰り返し続けることで記憶に残らせ、曲そのものが定着していくという寸法だ。2008年に崖の上のポニョが大流行した際にも同様の効果が見られていた。

 また、歌っているチマメ隊(チノ、マヤ、メグの)のキャラクターとしての側面を描いてみせている点も非常に秀逸で、「いつかは恋もして運命とか言っちゃうのかな?」「ぽんぽんふくらむ夢見ココロは何処へゆく」など、アニメ本編では語られることのないキャラクターたちのまだ見ぬ未来への思いが綴られているなど凝った作りになっている。

 

4曲目

「れっつもう一回  まだやだ再挑戦

ドヂとかしちゃったって強引にジョータイ烈破!!」

 テレビアニメ「えとたま」よりOPテーマ「リトライ☆ランデヴー」。

聞きやすさ・・・・・・・・・・9点

普遍性・・・・・・・・・・・・4点

キャラクターの表現・・・・・・10点

世界観の表現・・・・・・・・・8点

アニメのテーマとの繋がり・・・9点

 

 本当はキャラクターの表現項目で限界突破して15点ぐらいつけたい、そんな楽曲。

 この曲の歌詞が表しているのはえとたまの主人公にゃ~たんの姿。曲名通り、作中でにゃ~たんは何度も失敗し何度も地面に叩きつけられることになる。しかし、それでも絶対に諦めないのだ。そして、その「諦めないキャラクター」そのものが作品の伏線になっているという、OPまるごと含めた秀逸な作りはアニメという媒体そのものへの新たな可能性を感じさせる。

 色々な意味でアニメありきの楽曲だが、ここまでアニメのために振り切ると逆に清々しいというものである。必見。

 

5曲目

「どれくらいの覚悟あれば努力は実を結ぶの?

 誰もが皆  期待  不安抱いて進む」

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 2nd Season 02

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 2nd Season 02

 

 テレビアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」より第17話EDテーマ「私色ギフト」。

聞きやすさ・・・・・・・・・・8点

普遍性・・・・・・・・・・・・10点

キャラクターの表現・・・・・・9点

世界観の表現・・・・・・・・・7点

アニメのテーマとの繋がり・・・9点

 

 ラストはシンデレラガールズのアニメでたった一度だけ使用されたEDテーマ。たった一度だが、それだけで十分と言えるほどのものを残したのではないだろうか。

 兎にも角にも、人間に刺さる歌詞というのは数あれど普遍性を保つことというのはなかなかに難しいものであり、それをやってのけているというのは本当に凄まじいという一言に尽きる。

 上記の歌詞もそうだが、夢を追いかける人間がテーマのひとつとなっているシンデレラガールズにおいて直接的すぎると言ってもいいほどに直接的に包み隠さず描いているのが何よりも印象的である(シンデレラガールズのアニメが比喩的表現の多い作風だったことへのギャップもあるだろう)。

 筆者自身そうだが、追いかける夢や目標がある人間ほど刺さる一曲なのではないだろうか。 

 

 以上が、今年のアニソン歌詞で特に大きな印象を残していった楽曲たちである。

 アニソンからどんな印象を受けるのかは人それぞれだが、周りの人間を見ている限りではやはり何か窮地に陥った際に聴く曲であるかどうかが大きなポイントなのではないだろうかと考察する。

 曲だけで言えば今年はハコネハコイリムスメもダークホース感溢れる良曲なので、悠木碧ちゃんや竹達彩奈さんが好きな方はぜひ聴いてみてほしい。